またまた行ってきました、釜山国際映画祭。10月1日、意気揚々とオープニングセレモニー乗り込むはずが、悪天候のせいで飛行機が釜山の空港に降りられず、泣く泣くキャンセルというハプニングもあったけど、続く3日間は例によって神出鬼没のYEO取材班。アジア各地から集結した映画人や俳優の間を精力的に回遊した挙げ句、ハギニワ氏が〝今回のナンバー1!〟と認定したのがこの中国の美人女優、郎月婷(Lang Yueting 英語名はOleana Lang)だ。映画祭の中でも注目のイベント、アジア映画界で最も注目される俳優を紹介する『アジアン スター アワード』で新人大賞を受賞した。

「オープニングセレモニーでは大観衆の注目の中、レッドカーペットを歩いて、緊張しました。アジアの中でも大きな映画祭ですし、しかも第20回という大切な節目の今年、賞をいただけるなんて、すごく光栄です」

 美しくて可愛くて、スタイルも抜群。映画祭だからそんな女優、珍しくもないけど、彼女はその中でもひときわ輝いていた。優雅で上品、なのに親しみやすくて笑顔がキュート。艶やかな黒髪から足のつま先にいたるまで、お姫さまみたいなオーラを発散している。

「私はもともと、プロのピアニストとして活動していたんです。6歳からピアノを習い始めて、中央音楽学院で学びました。3年前、ある映画監督に誘われて映画に出てから、女優のお仕事も始めたんです。ラッキーですよね、私(笑)」

 好きな作曲家はバッハ、モーツァルト、ドビュッシーにラヴェル。今も時おりピアノに向かうし、時間のあるときはチェロやギター、大堤琴などを練習しているとか。

「女優という仕事もだんだん面白くなってきました。これから頑張って、見た人が忘れられないような演技をする女優になりたいですね」
 そんな彼女が精魂込めて演じたのが、今年一番の注目作のヒロイン役。どんな映画なのかは、明日からのお楽しみ!

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/