そして今は、11月17日~12月16日まで開催される長野市・北野カルチュラルセンター(北野美術館別館)での個展に向け、安曇野のアトリエに籠る。

「3カ月はここで描こうと、せっせと自分を追い込んでおります」

 金屏風を描こう、とひらめいたのだそうだ。大作に取り組む彼女を見ていると、大海に飛び込むような激しい生命力を感じる。

 もはや身近に迫ってきた“世界”という舞台を見据え、英会話にも励んでいるようだ。

「レアジョブというSkypeを使ってフィリピンの先生と英語で会話をするのですが、お気に入りの先生を見つけてからより楽しみ方が広がり、愛犬談義に花を咲かせています。愛犬はビーグル犬で、名前はさくらというのですが、ちょっとした表情を読み取ったり、感情を共有したり、一緒に散歩したりすることに幸せを感じます」

 愛犬だけではない。彼女の周りには生き物がたくさんいる。

「ウーパールーパーのウパとクパの餌やりの時に、赤虫をぱくついたり吸い込む姿があまりにもすばやいので、驚きと癒しを同時にもらっています。もちろんラブバードのクッキーの寝姿も最高です」

「私にとって絵は命」と、彼女は言い続けている。うごめく命と関わることは、さらにアートを熱いものにするのだろう。

  • 出演:小松美羽

    1984年11月29日、長野県生まれ。趣味は狛犬研究、漫画や小説の創作、なぎなた(北信越3位)、水泳と幅広い。女子美術大学短期大学部卒。2004年度 女子美術大学 優秀作品賞、日本版画協会版画展 入選。2012年5月~7月長野県坂城町鉄の展示館で画家・小松美羽 ふるさと坂城を描く「神ねずみと唐ねこさま」を開催。その後、坂城町特命大使に選ばれる。ニッポンコレカラプロジェクトの長野県代表でもある。
    http://www.corolla-korekara.com/nagano/
    http://www.miwa-komatsu.com

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太