竹内涼真は、今どき珍しいほどの家族思いの青年である。

 撮影が行われた日曜日は、父方のおばあさんとそのお姉さんを伴って集合場所の新宿駅に現れた。何でも、西口の百貨店で食事をしたり、買い物をしたりと、しょっちゅう彼女たちと休日を過ごしているのだという。その仲睦まじさは、この一枚の写真が雄弁に物語っているだろう。

「ほんと、ちっちゃい頃からの習慣です。何か落ち着くんですよね。もう、一緒にいるのが普通というか。大学から帰る時も、少し時間があったら祖母に電話をかけて新宿で落ち合ったりします。そして、学校や家であったことを話してゲラゲラ笑い合ったり、美味しいものを食べてうまいねえって言ったり」

 孫の鑑である。もし、高齢者を対象とした番組にレギュラー出演したりしたら、一躍人気者になりそうな気がする。

 現在の竹内家の構成メンバーは、涼真の他、父、母、妹、弟の5人。

「父と母は同い年で43歳、妹が高1、弟が中1です。いつもだいたい、僕と妹が何かふざけたことをやって、残りの3人が笑い転げてるって感じですね。父とは、2人でバーに行ってお酒を飲んだりもしますよ」

 実に仲のいい家族である。その長男は、もし自分に彼女ができた時は、まず家に呼んで反応を見たいと語る。

「初めて来たのに、この家って意外に馴染みやすいな――。そう思ってもらえたとしたら最高ですよね。うちの家は、堅苦しい緊張感がないところが長所。だから、女の子にも一緒にわいわい騒いで楽しんでもらいたい」

 将来、結婚して自らの家庭を築くことになった暁には、どんなファミリー像を理想として思い描いているのだろうか。

「恥ずかしいことがない家族がいいですね」

 意外だ。世間様に対して恥ずべきところなぞない謹厳実直な家庭を創り上げるという決意表明なのか。そう思ったら、肩透かしを食わされた。

「お風呂上がりに、きちんとパジャマを身に着けて、完璧な姿で出てくるような隙のない家族は嫌なんですよ。家族の前で恥ずかしがらないでほしい。例えば、僕が風呂場から素っ裸で出てきても嫌がらないでいてほしいですね」

 そういう意味だったとは。こちらの想像をやすやすと超える答えを繰り出してくるこの青年は、かなりの大物なのかもしれない。

 そんな彼が語る今後の夢とは?

  • 出演:竹内涼真

    1993年4月26日生まれ。東京都出身。身長185cm。5歳からサッカーを始め、高校時代は東京ヴェルディのユースに所属する。2013年、女性ファッション誌「mina」初の男性専属モデルを選ぶ「minaカレ オーディション」でグランプリを獲得。現在、連続ミニドラマ『車家の人々』(フジテレビ/関東ローカル)にレギュラー出演中。
    ホリプロホームページ http://horipro.co.jp/talent/PF161/
    『車家の人々』 http://www.kurumake.jp/ ツイッター(車涼真名義) @kurumaryoma

取材・文:上井草 優
撮影:萩庭桂太